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渉る、到る処に

―庭師が誘(いざな)う冬の庭―

渉成園」 ロゴデザイン

デザイン・文:大田高充氏(アーティスト)

篆刻した落款を模した形状にし、シンボル的なものとしました。

「渉」のシンボル案の行程

「水と歩とを組み合わせた形。水の流れを歩いて渡ることをいい、「わたる」の意味となる(白川静『字訓』より)」

偏のさんずいが”流れる水”、つくりの「歩」がその水を”渡っていく足”を表した表意文字。渉成園を流れる小川を渡って園内を歩いていく姿を想起させる象徴的な文字・漢字であると感じました。その原初的な文字・記号の意図を踏まえて、「渉」という文字を再構成しました。

さんずい「水」を水の流れとして図案化し、その上を渡る足の形状をつくり「歩」の上部「止」と下部「少」を反復して歩みの足取りを描きました。

それぞれの部位をより図案的にして象徴的な形状にまとめました。中央のS字の流れ(水)を渡る一歩です。

「渉成園」のロゴタイプ

「日本庭園」という歴史文化のカテゴリーを踏まえたうえで、自然環境を内包した「庭」という空間の、生物環境の場としても捉えられるの可能性が広がっていくよう楷書的な和の構えから図と記号文字との間のような原初的な文字の佇まいを施しました。
(※可読性を高めるため、漢字の表意化はシンボルマークのみに留めました)

「渉」シンボルとの組み合わせと

文字組のバリエーション