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松の景・野花の景

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庭師の創意工夫が凝らされた、松林・傍花閣(ぼうかかく)南エリアにようこそ

イラスト:鷲田悟志(渉成園担当庭師)

野花の景

松林・傍花閣周辺の草地

このエリアでは、渉成園の名前の由来となった「帰去来之辞(ききょらいのじ)」にもある陶淵明(とうえんめい)の故郷の田園風景を感じさせる、下草を生かした景色づくりを行っています。野花が咲き、ふわふわと川辺の草が揺れ、トンボが飛び交う風景はノスタルジーを誘います。

柔らかい春の草の繁茂によって夏草を抑える効果も狙っています。

秋口に刈り取ったチガヤは足首位の高さに伸びなおし、冬場は赤く紅葉する事で、庭園に彩りを与えてくれます。

松の景

敷き松葉

敷き松葉とは一般的には苔を保護する意味もある、茶庭、露地の冬のしつらえです。

海辺や琵琶湖の湖岸にあたりまえにみられる、松林の光景でもあります。名勝の景色を庭に取り込むのは伝統的な作庭の技法です。

自然界のマツは葉を落とす事で土壌を弱酸性化して自らにとって好ましい環境を整えています。このエリアでは、そんなマツの生存戦略を敷き松葉の景によって表現しています。実際にマツが好まない雑草の繁茂を抑制する効果は顕著です。

地面に広がるマツの葉はクチクラ層が発達しており、低く差し込む冬の陽光を反射するので、松林全体がきらきらと輝きます。

写真:太田陽介(渉成園担当庭師)

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